2001年1月から2007年4月まで、おもにbiddersにいた。入社は42歳だった。社長だった南場さんより3つ年上だ。

前職はマイクロソフト子会社のベンチャーで営業部長をやっていた。
経歴だけ見るとマトモだが実物は凶悪・凶暴・凶相、おまけに頭が悪かったので、採用に関しては経営会議でも紛糾し、最後は多数決(5対4)で入社が決まった(そうだ)。
なんで南場さんが私に声を掛けたのかは今でもナゾであって、遠い将来私の伝記が出版されるときに筆者は悩むに違いない(⇒出版されない)。

入社早々、経営会議に出席したら、今月は1億円の赤字でした、なんて報告が上がり、いきなり青ざめた。
当時biddersはヤフオクに周回遅れを喫し、オークションでは生き残れないのでショッピングに衣替えしようか、なんて話があり、さらにはoikuraのリリースも目前で、社内にはオカネがなかった。春田さん南場さんがどこかからオカネを引っ張って、なんとか生きている会社だった。

それでも社内は不思議に明るかった。楽天・ヤフーに追いつけ、追い越せ、という気概にあふれていた。生存の危機に瀕しているはずなのに、みんな前を向いていた。
42歳の私は不思議だった。こんなに業績が苦しくて、なんでみんな楽しそうに働いてるんだろう。フツーだったらめげてるよ。

そのころ「DeNAの三奇人」とゆうのがいた。一人は夜10時になると、社内でパジャマに着替えて寝袋に入って寝ちゃう男だった。もう一人はズボンのベルトの位置がいつもオッパイの下あたりにある男だった。最後の一人は私だという説もあるが守安という説もある。

みんな変な連中だったが、脇目もふらずに仕事をした。梁山泊とはこんな雰囲気なんだろうなと思った。
いっけんメチャメチャな人材が集まっているけど、みんなが同じ方向をしっかり見据え、右斜め上の楽天、左斜め上のヤフーを虎視眈々と狙う。
混沌の中に集中があり、乱戦の中に笑いがあった。

ところで予想通りとゆうかなんとゆうか、私はおおむね使い物にならなかった。
即戦力のはずなのに、数字は取れない、チームはまとまらない、そのくせ文句だけは言う。
経営会議で未達を責められ、吊るし上げを食らった。逆切れして「やめてやる!!」と叫んだこともある。

だがしかし、まっこと不思議なことに、そんな私にも居場所が与えられるのがDeNAなのだ。

biddersは後発でがんばってはいたが、先行するバク天(仮名)との間には、売上規模で比較にならないほどの差があった。
ならば、とゆうわけで、バク天に加盟している大手の店舗を勧誘することにした。
プロジェクトチームが組まれ、作戦を練る。誰かが提案した。

「バク天の店舗相手に、毎週メルマガを送りつけたらどうだろう」

それは面白い、とゆうわけで、なぜだか私が毎週書くことになった。今でいうスパム。

では、どんなメルマガにするのか。売上で劣るわけだから「バク天より売れてます」なんてことは間違っても書けない。
うーん、うーん、とみんなで鼻血が出るほど考えて、基本は「お笑い系」で、なおかつ「バク天の弱点」を攻撃することにした。(⇒厚かましい)

バク天は確かに売れる。でも、売るためには高額の広告を使うのが常識だった。さらに、同業他社が多いから、価格競争も厳しい。
そこらへんが弱みとみた。

であれば、biddersで「オカネを使わずに」売れている店舗、売れている商品をアピールすれば良い。
目を皿のようにして、売れている店舗を探し、メルマガで取り上げた。

「今週はこの店舗。あーらびっくり、広告使わなくてもこれだけ売れるんですね~」

みたいな感じである。
しつこく続けているいちに、(スパムのくせに)市民権を得たらしく、「今週のは面白かった!!」などメールの返信が来だした。さらにはバク天以外の店舗から

「メール配信希望します」

なんてのが来るようになった。さらにバク天の店舗からの問い合わせも増えてきた。
やがてメールに関する規制が厳しくなり、この作戦は2年ばかりで終わった。(⇒重要な注:始めたころは違法ではなかった)

メルマガは、毎週月曜日が締め切りだった。
日曜夜に書き、月曜早朝、まだ暗いうちに読み返し、メンバーからインプットをもらい、ギリギりまで書き直した。会社の業績が掛かってるから必死だった。
今思い返しても、あんなに必死に「お笑いネタ」を考えたことはない。コント作家をやってるようなものだった。

弱者の戦いはヒット・アンド・アウエーのゲリラ戦しかない。あのころは、勝ち筋がそれしかなかった。

が、今のDeNAは違う。誰もがその名前を知る、 ニッポンのベンチャーを代表する企業だ。
これからはゲリラ戦を仕掛けなくても、自力で勝てるだけの力があると信じているし、まだ誰も気づいていない価値を世界に向かって提供できるサービスだって作れると信じている。

厳しいけれど明るい。個性派ぞろいだけど団結力は強い。カオスと熱気のカタマリ。DeNAはそういう会社だ。
その中で私が成長できたかどうかはわからないけれど、会社が大きくなる過程を仲間たちと共有できたのはシアワセだった。

唯一、当時のDeNAに欠けているものがあるとしたら、家族持ちが少なかったことかな。幹部のほとんどが独身だった。
私は結婚20年になる古女房がいたから、若手の社員に、事あるごとに吹聴した。

「結婚はいいぞ、いい事だらけだぞー」

でもって力説した。

「結婚したら一緒にメシを食え。一緒にメシを食うのが家族、一緒にメシを食う場所が家庭だ」

そのせいかどうか、その後適齢期の社員のほとんどが結婚したようだ。実にめでたい。

さいごに。

イマドキは結婚したら、夫婦はWベッドに寝るのがお約束らしい。(当家は 別々のオフトンだけど)
でもって、突然ですが、Wベッドの最大の問題は、オナラではないかと考えている。

一人で寝ているときは、かなり臭いのを放出しても、不思議と臭くない。むしろ臭ければ臭いほど 、愛しいと言おうか哀しいと言おうか、そんなキモチになる。
が、Wベッドで相方がオナラをした場合、どうだろう。やはり臭いのだろうか。それとも自分のと同じく愛しく哀しいものだろうか。

以下は私の予測であるが、オナラは、ダメなのではないか。どんな恋女房のでも臭いのではないか。
よって、自分は平気でも、Wベッドで寝る場合は、オナラはガマンすべきである。
ましてやうっかりミまでチョット出てしまったら、これはもう明らかに失敗であるから、直ちに謝罪して、わざとじゃないけどオナラをしたらミまで出てしまいました、と事実を正直に述べるに限る。隠してもわかっちゃうし、おぱんつも履き替えなくてはいけない。

最近、年のせいか、寝グソなどしそうな予感がしてユウウツである。だがもし万が一してしまったら、隠し立てせず、潔く「寝グソしました」と、かーちゃんに申告しようと思う。失敗はどんな時にでも起こるのである。

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村山賢一郎
在籍:2001~2007
部署:EC事業部
現在:BCリーグ運営
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